2005年4月10日(日)


場所:上野地下練習場
時間:12:00〜17:00
参加者:秋元、市川、大湾、佐々木、佐藤、田中、中根(史)、筑城、松井

●練習曲:
Lüzows wilde Jagd Fantasie (K.Stiegler/H.Pizka)
Capriccioso (A.Gatscha)
Spanisches Ständchen (A.Wunderer)
Tanhäuser (Wagner/P.Damm)

●感想:
桜が見事に咲き乱れる中、我々は某地下練習場にて有意義な練習を行いました。
本番を9月に控え、まず始めに広報部長のフォルカー氏より選曲の状況に関して話があり、演奏会全体のボリュームや各個人の役割が徐々に見えてきました。
予定通りメインは「タンホイザー」序曲に決まり、前半はウィーンの小品集となる模様。私個人としては演目が毎年満腹コースなので、今年は腹八分で行きたいのが本音だが、さてどうなることか?
仮決定では有るものの、この時期から担当するパートが分かるのは、毎回の練習に出向く際のモチベーションを保つ意味でも有効な手段と言えます。
ただ例年の様にいろんなパート吹くことも勉強になることは確かなので、この点は各個人が音源を良く聴き、スコアを熟読するなど工夫が必須だと思います。

今日は前半に演奏予定のウィーンの小品(A.Wunderer、A.Gatscha作曲)を中心に練習しました。どの曲も久しぶりということで練習開始のアンサンブルはギクシャクしていたが、お互いに意見を出し合いながら進めていくことで、その点が着々と修正されていくのが良く分かりました。
本番だけうまく行けば良いのではなく、度重なる練習で音楽が熟していく瞬間を奏者が感じ取れる、これってアマチュアにとって最大の喜びですよね。そしてその瞬間が多ければ多いほど、その演奏会は思い出深いものになる訳です。逆に言えば本番だけ上手く行った演奏って忘れちゃうんですよね。

最近私が思うに馬脚を露(あら)わす人が減った気がします。練習しながら「これは明らかにアンサンブルとして成熟できている証拠だ」と自分を納得させてました。ちなみに「馬脚」とはその字の通りですが、

芝居で、馬の脚に扮(ふん)していた人が正体をあらわす意から〕隠していたことが明らかになる。化けの皮がはがれる。

とあります。つまりその曲に相応しくない破裂音や粗雑な演奏を言うのでしょう。私も自覚症状があります…その昔ですが。

本日の練習メニュー後半は、メインに添えられる「タンホイザー」序曲(ホルン10重奏)。これってある意味前半の小品とは異なった曲想を持つ。小品の方は与えられた譜面をいかに我々の思い描く「あるべき姿」に変えられるか、といったものだが、後半のワーグナーに関しては「かっちり」と演奏することが基本であり、そうすることで立派な曲になってしまう。怖いのはこの譜面通り演奏すること。日頃高い音楽性を持ったウィーンの方々の音楽を身近に感じている我々としては、なんとしても譜面通りには留まらず、聴いている人々を引き付けるような演奏をしたいものだ。
そんなタンホイザー、私は8番ホルンを吹くのだが、全く気が抜けない。この曲は7〜10番ホルンが各所で「タンホイザー」のメロディーを重厚にまた神々しく演奏するのだが、ヴィーナーホルンの持つ魅力が最大限に引き出される曲と言えます!
我々の演奏会も、今日の桜のように華々しく咲くといいですね。

(わん)