2005年2月11日(祝)


場所:都内某地下練習場
時間:12:30〜18:00
参加者:秋元、阿曽、市川、大湾、佐々木、佐藤、田中、筑城、中根(史)

●練習曲:
Festfanfare (H.Wottawa)
Grosse St.Hubertus - Messe (K.Stiegler)
Siegfreid - Fantasie (R.Wagner/ K.Stiegler)
Volksweisen aus Österreich (K.Jeitrer)
Capriccioso (A.Gatscha)
Spanisches Ständchen (A.Wunderer)

●感想:
 初の例会報告となります。TWVの中では新参者ですが、例会に来るたびに安心感と緊張感(集中力)に満たされます。自分の耳に馴染んだ響きが聞こえるだけでまず落ち着きを感じます。全員が同じウォームアップと基礎練習を黙々と行い、アマオケにありがちな馬鹿吹きやオケスタの吹き散らかしがないのも気持ちがよいものです。もちろん個々人の音色や技量は違いますが、ピッチ感を含めた全体の志向性、理想とする響きが共有されている。これが安心感につながっているように思います。ヴィーナーホルンを何本か集めただけでは「らしい」響きにならないことを考えると、その意味と効果は大きいですね。以前のことは分からないのですが、昨年の聖地巡礼と聖地公演、そしてオペラをメインに据えた第3回演奏会で「一皮剥けた」ように感じるのは私だけではないと思います。
 緊張感(集中力)の方ですが、これはもうN氏@日本一の存在感と切り離せません。N氏がTWVを引っ張ってくれていた時は、練習が始まった途端、メンバー全員に緊張の高まりが感じられたものです(もちろん、よい意味でです)。ピッチはもとより、リズム、テンポ、フレージング、音色に至るまで細かくチェックされ、神経を張りつめなければなりませんでした(汗)。
 しかし、N氏という強力なリーダーが抜けた後、こうした緊張感が少し薄れたように思いますね。以前ならきっと駄目だしされたであろうことでも、「ま、いいか」と済ませてしまうようなことが時々あるように感じます。自分の至らなさでもあるわけですが、今までN氏に頼りすぎていたことを反省しています。大編成のアンサンブルでも指揮者なしでやるのがTWVのやり方ですので、これからはメンバー一人一人が厳しい批評家となって自分の音や演奏をチェックしなければならないなぁ、と痛感した例会でした。

 さて、練習内容ですが、1月の例会とほぼ同じものとなりました。フーベルトミサは、前回の秋元氏も報告していますが、よく知っている曲のはずなのに、パートが変わると別物のように感じられます。それにしても、ほんとよい曲ばかりで、演奏しながら至福感を味わいました。ただ、「歌」という意識が乏しいのか、息がもたないといった身体的理由からか、響きがブツブツと切れてしまい、大きなフレーズとして流れて行かないように感じました。例会後、私たちのバイブルともいうべきWWWの演奏を改めて聴いてみると、刺激的な音が皆無なんですね。そして、音楽の自在な出し入れ、全体を流れる歌に感嘆。みなさん、ぜひ再聴してください。
 次も例のバイブルに入っていたリューツォの荒々しい狩。やはり知っている曲のはずなのに、演奏してみると、「あれっ、こんなことをやっていたのか」とか「他のパートとこんな具合にからんでいたのか」といった驚きの連続でした。でも、荒々しい狩の場面と中間部に出てくる穏やかな場面との対比などは、ヴィーナーホルンでなければ出せないように思いました。
 これに続いて、1月の例会でも取り上げたジークフリートファンタジー。前回よりは少し形になったようですが、まだまだ練習が必要です。特に、決め所でのテンポ感が違っていたり、力みすぎて響きが汚れてしまうのは(自分も含め)なんとかしなくては。昨年の「薔薇の騎士」のように、楽劇を聴いて(見て)それぞれの音楽の場面が分かってくると、だんだんまとまってくるように思いますが、全編を聴き通すのはしんどそう・・・
 次はカプリツィオーソ。譜面を追いかけながらの演奏でしたが、これも楽しかった。もう少しさらい込めば演奏会までに仕上げられそうな気がしました。
 続いて、これも前回やったオーストリア民謡から3曲。譜面はごく簡単で、1曲2分足らず。パートによっては同じ音の四分音符が並んでいる部分があったりもするのだけれど、そこから「音楽」を奏でることがなんとも難しい。「そうか民謡なのか」と思い、歌を意識しながら吹くうちに、だんだんと曲らしくなったようです。これも、みんなが同じ意識でやれるからでしょうね。こういう曲を「聴かせられる」のがTWVのよいところと思います。アクロバティックな曲は「別の楽器」に任せましょう(笑)。
 最後はヴンデラーのスペイン風セレナーデ。これまでとは曲想が変わります。でも、こういうのをプログラムに入れるといいでしょうね。私のパートはもっぱら伴奏の刻みを吹くだけですが、それに乗ってメロディーが流れると実に心地よく、楽しくなります。

 今年は主に若者二人が上パートを担当し、おじさん達が内声と低音で支えるという態勢です。伸び盛りの若者達がなかなかに健闘していて楽しみですね。いろいろ書いてはみたものの、フォルカー氏はじめメンバーの結束力と意欲は高いので、新生(?)TWVはこれからも楽しみ・・・ということでいかがでしょうか。
 例会終了後は、間もなく離日されてしまう中根夫人とお子さんがたを囲んでの送別会。名残惜しいですが、再会を楽しみにいたしましょう。

(阿曽)